万年冬眠中

ぜんぶフィクションです。

夢小説も怒りたい

お久しぶりです。フォロワーさんが久々にこちらの記事(http://ohutonmogmog.hatenablog.com/entry/2015/10/06/191953)のことを呟いてくれて、懐かしくなったのでまた少し書きにきました。

以下は主に「リツイート直後のツイートを表示するやつ」で、当該記事に関する意見を垣間見た私の考えです。かなり好き勝手に書くので、脳味噌の血管がすぐブチ切れそうな方や読んでいて気分が悪くなった方はブラウザバックするかウィンドウを閉じてこの記事のことは忘れてください。なんか綺麗なものでも見てください。何でも許せる方向けです。


当該記事の公開直後、「テンプレート夢小説は初心者が書くレベルのもの」「上澄み」という一節がメチャクチャ叩かれました。何故でしょうか?
私は「初心者が書くレベルのもの」「上澄みにあたる夢小説」=「文章的に拙い」「下手糞」といった旨の文は一切記しておりません。
また、「初心者が書くレベルのものを私たちが書くような夢小説と同じにしないでほしい」などとも記しておりません。ぜんぜんまったくこれっぽっちも馬鹿にしておりません。

夢小説という文化はとても規模が大きく、その形態もさまざまです。初心者が書いたテンプレ夢小説だって夢小説ですし、書きなれて洗練された夢小説も夢小説です。こういう旨の文を書くのは当該記事と合わせて二回目ですが、どうやらご理解いただけなかったようなのでもう一度書いておきます。一緒にするな、とは記していません。ぜんぶ同じ夢小説です。一切馬鹿にしておりません。

あと何故そんな受け取られ方をしたのか甚だ疑問なのですが、「私の夢小説は高尚なんだからそんなテンプレ夢小説なんかと一緒にしないで!」などとは全く持ってこれっぽっちも記しておりません。

そもそも私の文章はどう高く見積もっても下手糞です。でも自分の作品に萌えは詰め込みます。テンプレ夢小説だって誰かが自分の萌えをたくさん詰め込んだ作品です。そこに文章の優劣とかは関係ありません。ぜんぶ同じ夢小説です。違うのは詰め込んである萌えの種類です。テンプレ展開萌えが初心者に多いという話です。
文章が洗練されてるというくだりは、界隈に長年いる人はそりゃ目も肥えて書く文章も洗練されていきますよね?って話です。初心者の文章は全く洗練されてないとか一言も言ってないです。


あともうなんか堅苦しい文章が面倒になってきたのですごく砕けた文で書きます。

「こいつ必死かよw」「ちょっと怒りすぎじゃね?w」みたいな煽りもたくさんありました。
自ジャンルのあり方に関わるので必死にもなります。当該記事にはいままで不当に迫害されてきた分の怒りをたくさん込めました。まだ足りないぐらいです。まだ怒っています。

夢小説は立派な文化ですよ。文化として市民権を得たいとかそういう話じゃないです。別に二次創作のなかでいっとうグレーゾーンに位置する文化でもなんでもありません。じゃあ何故夢小説サイトは検索避けをするのか?それは検索避けをしないとジャンル内外からメチャクチャに叩かれるからです。
ジャンル外の方が夢小説をメアリー・スーとか的外れなことを言って叩いてくるのはもちろんですが、「検索避けをしろ」と言って叩いてくる人もいます。そういう人たちは大抵夢小説ジャンル内の人です。彼女らは夢小説のことを「グレーゾーン、アングラ文化」と思い込んで叩いてきます。
夢小説は多くの夢書きが隠れた結果アングラな文化になってしまっていますが、特別グレーゾーンに位置する文化ではありません。それを言ったら二次創作はぜんぶグレーゾーンです。夢小説をグレーゾーンだとして隠れろと叩くなら、二次創作はすべて隠れて然るべきです。
話が逸れましたが、ジャンル内の方で「夢小説はグレーゾーンだから隠れるべき」と思い込んでいる方はその考えをごみ箱に捨ててください。ちょっと言いすぎました。ご自身が隠れるのは勝手ですが、それを他の夢書きに押し付けないで下さい。そういう押し付けの積み重ねがいわゆる「晒し同盟」の一端を担っているのだと私は思います。あなたが自分の文化を卑下することが、あなたの文化の衰退に繋がります。迷惑なのでやめてください。


なんか素っ頓狂なことで叩かれたのでここまでつらつら書きました。

おおげさなタイトルをつけましたが、私の意見は夢小説ジャンル全部の意見を統括したものではありません。ただのいち夢書きの意見です。鵜呑みにしないでね。


乱暴な文章ですが、ここまでお付き合いくださった方はありがとうございました。
もっと夢小説がライトに読み書きできる世の中になればいいなぁ。


おわり

夢小説を笑う文化

夢小説界隈に身を置く立場として、ハッシュタグなどを用いて頻繁に流れてくる「テンプレート化された夢小説のイメージ」にたいへん辟易しつつあるので、ちょっと考えました。お時間のある方はよろしければお付き合いください。

 

まず夢小説ってなんだろうという話から始めます。ドリーム小説とも呼びます。wikipediaさんが杉浦由美子さんの著作『ケータイ小説のリアル』という本から引っ張ってこられた夢小説の定義は、「特定の登場人物の名前を読者が自由に設定して読むことの出来る小説」とのことです。名前変換ができる小説なので、夢小説はそのまま名前変換小説とも呼ばれたりします。恋愛、友情、家族愛、傍観など、色々なシチュエーションのお話があります。夢主と呼ばれる名前変換の対照となる主人公は、女であったり男であったり、受けであったり攻めであったり、人外であったりと様々です。

 

で、冒頭の話に戻るんですけれども、「ナントカ夢小説にありがちなこと」「夢小説あるある」みたいなハッシュタグがついてリツイートで流れてくるタイプの夢小説って、ある種のテンプレートみたいな流れに沿ってできていて、 検索エンジンに「ジャンル名 夢小説」って打ち込んだらすぐに同じような様式のものがでてきて読めますよね。でもそれって、こう言ったら怒る方もいらっしゃるかもしれないんですけれども、初心者が書くレベルのものなんです。初心者なので似たり寄ったりのテンプレ展開になりがちなんです。ホームページに検索避けもしてないんです。だから検索したらすぐにでてくる。

実を言うとそういった夢小説は、長年夢小説を読んでいたり、書いていたりする人にとっては、夢小説という文化全体の、ほんの上澄みに過ぎないんですよ。長いこと夢小説を消費している閲覧者は目が肥えてくるし、書いている創作者の文章は多少なりとも洗練されてゆきます。長年界隈にいる創作者は検索避けを覚えて隠れますし、閲覧者はそれを探す術を学びます。長く浸っている者ほど深層に行くんです。

ですがそういう人たちにとっても、「夢小説」は「夢小説」です。
前述のテンプレ夢小説も夢小説ですし、年季が入って洗練された夢小説も、名前変換ができれば、なんでも夢小説と呼ぶんです。しかし、「夢小説あるある」とうたって流れてくるツイートは、どうも前者だけを引っ張ってきて、誇張して茶化したような内容じゃないですか。

何故でしょうか?

思うに、そういう偏った夢小説のイメージにハッシュタグをつけてツイートしたり、それを「あるあるwww」とリツイートする層には、「昔は夢小説読んでいた時期もあったけど、今は離れて久しい」「夢小説に興味はあったけど検索して出てきたものを読んですぐ興味を失った」「昔書いていたことがある」こんな人が多いのではないでしょうか。そういう方々にとって夢小説は過去のものなんだと思います。それも上澄みを掬っただけでわかった気になって、黒歴史にしちゃってるんです。だから面白がって拡散しちゃうんです。

ですが、成人して今なお夢小説を読み書きしている私個人としては、そういうスタンスで夢小説を語られるのはとても屈辱的ですし、許せません。とても馬鹿にされた気分になりますし、悲しいし、怒りがわきます。夢小説を過去のものとして切り捨てるのは勝手ですが、上澄みだけを掬って「これが夢小説だ」ってレッテルを貼って笑いものにするのは、過去にちょっとかじった程度のよく知らないジャンルを馬鹿にするのは、今現在も真面目に夢小説を創作している人達に失礼ではないでしょうか?

BLをよく知らない人や、過去にちょっと読んでいた程度の人に「BLって受けと攻めがあってー、なんかかわいい男の子が受けでしょ?壁ドンとかするんで しょ?」とBLの多様性も知らないのに知ったかぶりをされたら腹が立ちませんか?「BLはねー、昔読んでたけど…A×Bとかwww黒歴史だわwww」と自分が好きなCPを黒歴史と言われて馬鹿にされたら腹が立ちませんか?夢小説も同じです。夢小説だって、その形態は様々です。素晴らしい作品がたくさんあるんですよ。今も夢小説を読んで、書いている人がいるんですよ。

だから夢小説を読め、とは言いません。特別扱いしろとも言いません。ただ、夢小説も一つのジャンルとして二次創作界隈に確立されているのです。知ったかぶりして笑いものにしてつついて遊ぶのは、失礼ではないかと思うのです。


おわり。